2010年03月09日

ドキュメンタリーの撮り方

ドキュメンタリー作家募集。
「僕たち」が想像もしないような「あいつら」の文化が世の中にはたくさんあります。
その文化をビデオカメラで撮影し、編集し、一本の映画にするだけの簡単なお仕事です。


「僕たち」を煽情する映像を撮れば撮るほど、「僕たち」の癇にさわればさわるほど、
「僕たち」はその映画を見るため映画館に足を運び、お金を落とすことに躊躇しないでしょう。
「僕たち」の人口は多いので、あなたが思うほどこのビジネスチャンスは狭くないのです。

ドキュメンタリーとは「あいつら」の文化を撮影して、「僕たち」からお金を貰うことです。
世の中には差異なんていくらでもあります。それを巧みに見つけ出し、批判するお仕事です。
差異のギャップが大きければ大きいほど、ドキュメンタリーの破壊力、価値は高まるのです。
それは啓蒙であり、事実の伝達であり、問題提起であり、ときには異文化理解でもあります。
映像によってその差異は時に埋められ、時に強調され、時には更に断絶することもあります。
「僕たち」はそれを正当に評価する能力があり、正当な対価を払う能力があると自負します。

マイケル・ムーアという映画マンは、自国の「異常な」文化を撮影することを好んでいますが、
彼はあえて隘路を通う変態です。彼は共和党を内なる他者として見ることに慣れているのです。
彼は「僕たち」の中に「あいつら」を見出す天才、「僕たち」の差異をえぐり出す天才です。
しかしそのことにより、ムーアの「僕たち」からの評価は真っ二つに割れているのも事実です。
ドキュメンタリーに国境はありませんが、国境を跨いだ方が差異は多く見つかるのは自明です。
それに国境を跨いだ方が、「僕たち」の怒りに触れないだけ楽です。ここだけの話ですがね。
ドキュメンタリーはビジネスです。予想できるリスクをそれでも取るなら、覚悟が必要です。


皆様からの素晴らしい作品を、我々は心よりお待ちしております。
posted by 手の鳴る方へ at 09:50| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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